名スポットは迂回した先に。

【東京都の書店MAP】利便性では測れない、時間を忘れる東京都の本屋、古書店一覧

タブレットの台頭により、ペーパーレスの動きが盛んになってきた。

しかし、「本を手に取り読書する」という、利便性だけでは測れない魅力も確かに存在する。

本記事では、京都府にあるおすすめ本屋さんと、紙の本を探す楽しさを紹介する。

 

東京都の書店記事

#ぶらり書店めぐり 一覧▶︎

千代田区の書店

ほんまる 神保町

本の街として知られる神保町。個人経営の小さな書店から大型書店までさまざまな本屋が軒を連ねており、街全体が大きな書店のようだ。

昔からある本屋が多いイメージだが、最近は新たな書店も少しずつオープンしている。そのひとつが「ほんまる 神保町」だ。

「ほんがある日は一日がまる」という思いを込めて名付けられた。

「本」の大きな文字が目を引く外観 photo by 日本の本屋

「ほんまる 神保町」は、棚の一つひとつに棚主(借主)がいるシェア型書店。棚主は個人や出版社、書店などさまざまで、文芸書からビジネス書、専門書、実用書まで多様なジャンルの書籍が並ぶ。

あたたかみを感じる店内 photo by 日本の本屋

棚ごとにセレクトの方向性が違うため、つい時間をかけてゆっくりと見てしまう。その時の気分や興味に合わせて、チェックする棚を決めておくという楽しみ方もできそうだ。

賑やかな通りからは少し離れた場所にあるため、店内は非常に静か。集中してじっくりと本を選べるのが嬉しい。

364個の棚がある photo by 日本の本屋

「ほんまる 神保町」のオーナーは、直木賞作家として知られる今村翔吾氏。年々、日本の本屋が減少している現状を危惧し、神保町に書店をオープンしたのだという。

大阪府にある「きのしたブックセンター」、佐賀駅構内にある「佐賀乃書店」に続き、3店舗目のオープンとなる。

螺旋階段を降りた地下にも本が並ぶ photo by 日本の本屋

シェア型書店には、オーナーセレクトの本が並ぶ書店とはまた違った楽しみ方がある。思いもよらない本との出会いを求めて、「ほんまる 神保町」に足を運んでみては。

(文・写真:日本の本屋

施設詳細

店舗名 ほんまる 神保町
住所 東京都千代田区神田神保町2-23-5 北井ビル 1F/B1
アクセス 東京メトロ半蔵門線・都営新宿線・都営三田線 神保町駅 徒歩2分
営業時間 11:30〜19:00
定休日:年中無休(お盆、年末年始)
駐車場 専用駐車場なし
備考 HP▶︎

SOZO BOX

入り口

店舗入り口 photo by いぶ

お店の前を歩いていると目に飛びこんでくる、大きな赤いポストが印象的なお店、「SOZO BOX」。

表紙を向けて並べられた本と、いろとりどりのラッピングペーパーが何やら楽しげな雰囲気をかもし出していて、「本屋さん?いや、雑貨屋さん?」と吸い寄せられていくお客さんもちらほら。

ここは、本を選び(=想像)、ラッピングし(=創造)、発送する(=送贈)までの体験を手軽に楽しめる、日本郵政株式会社が手掛けた「“贈る”を楽しもう」がコンセプトのお店です。

本コーナー

SOZO BOOKS photo by いぶ

入り口を入って右側、“想像”エリアには「SOZO BOOKS」として、想いを届ける贈り物として選書された約150冊の本が揃います。

本棚

全て表紙を向けて並べられた本 photo by いぶ

一冊一冊の帯に「頑張っているあなたへ」「元気になってほしいあなたへ」といった贈るテーマに合わせたコメントや内容が書かれていて、贈りたい相手のことを想像しながらじっくりと本を選ぶことができます。全ての本にこんなコメントが付いている本屋さんなんて、なかなか無いですよね。

手元

自分のペースでじっくり選べる環境 photo by いぶ

本の種類は、児童書から文学書、エッセイ、自己啓発まであらゆる年代に向けたジャンルが揃っています。

また、モデルや小説家など各界で活躍する方々が選んだ「あの人の選書」コーナーや、中身のわからない本など、工夫されたテーマも見どころです。

あの人の選書

あの人の選書コーナー photo by いぶ

中身が分からない本

開けるまで中身がわからない本 photo by いぶ

贈りたい本が決まったら、“創造”エリアにあるラッピングBARへ。

利用料は税込500円(2025年1月現在)。100種類以上のクラフトグッズを自由に組み合わせて、時間を気にせずラッピングをすることができるスペースです。

ラッピング

SOZO BOOKSの反対側にあるラッピングBAR photo by いぶ

ラッピング

リボンやマスキングテープ photo by いぶ

包装紙

いろとりどりの包装紙(一部有料) photo by いぶ

さまざまな包装紙、リボン、スタンプが並んでいるのを眺めるだけでもワクワクしますね。

一緒に住む家族や恋人にこっそりプレゼントしたいけど、バレてしまいそうで・・・なんて方にもオススメ。

購入した本へのラッピングはもちろん、持ち込み品のみでのラッピングBARの利用もOK。また、お手紙のみを送るサービスも用意しているとのことなので、さまざまなシーンで活用できそうですね。

ラッピングが終わったら、店舗の真ん中にある“送贈”エリアへ。お店のシンボルにもなっている、大きな赤いポストに投函しましょう。

ポスト

本当に投函できる大きなポスト photo by いぶ

ゆうパック、レターパックから最適な方法を選び、その場で発送完了です。発送方法に迷ったら、スタッフに相談しやすいのもこのお店ならでは。もちろん、手渡しする場合は発送せずに持ち帰りも可能です。

プレゼント

ラッピングに迷った時もスタッフが相談に乗ってくれるので安心 photo by いぶ

本を贈る、という行為を、ハードルに感じる方もいらっしゃるかもしれません。

でも、贈った本をきっかけに、普段は言えない伝えたいことが伝わったり、思いがけない会話が生まれたりすることがあります。何より、丁寧に手作りでラッピングされた本をプレゼントされたら、きっともらった方はあたたかく嬉しい気持ちになるのではないでしょうか。

SOZO BOXはJR秋葉原駅から徒歩5分以内とアクセスもよく、年中無休、手ぶらで訪れ、身軽に帰れるのも魅力の一つ。ぜひ気になった方はショッピングのついでや仕事帰りに立ち寄って、誰かに贈る本を“ソウゾウ”してみてはいかがでしょうか。

(文・写真:いぶ

施設詳細

店舗名 SOZO BOX
住所 千代田区神田練塀町15-1
アクセス JR「秋葉原駅」電気街改札口から徒歩4分
営業時間 11:00〜20:00定休日:なし
備考 HP▶︎ Instagram▶︎

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文京区の書店

アンダンテ

「旅」に関連する書籍を扱う書店「アンダンテ」。2024年11月15日に文京区・千石にオープンした、まだ新しい街の本屋だ。

千石駅徒歩10分。街の本屋として機能する。 photo by 日本の本屋

アンダンテはクラシック音楽などで使われる速度記号のひとつで、イタリア語で「歩くような速さで」という意味を持つ。現代では何かとスピードや効率が求められ、日々があっという間に過ぎていく。

そんな暮らしの中で、本を読んだり、旅をしたりといった日常とは異なる速度で過ごせる時間を大切にしたいという思いを込めて、「アンダンテ」と名付けられたそうだ。

「 旅×文学」の棚。 photo by 日本の本屋

棚にはそれぞれ旅と掛け合わせたテーマがつけられている。 photo by 日本の本屋

棚は「旅」「衣」「食」「住」「遊」「推」と大きく6つに分けられており、どの棚にも知的好奇心をくすぐるような本が並んでいる。

特に「旅」に関する書籍は店舗全体を通して充実しているため、次の旅先を決めるヒントとなる本も見つけられる。

壁一面の本棚。 photo by 日本の本屋

店内は木を基調としたあたたかみのある雰囲気。オープンから間もないが、街行く人が続々と入っては出ていく様子は、すでに街の本屋として機能していることを感じさせる。

カーブした大きな窓ガラスが美しい。 photo by 日本の本屋

店内の様子が外から見える、街に開かれた空間。 photo by 日本の本屋

その街にとって文化の基盤ともなる街の本屋。アンダンテで出会う書籍を通して旅に出て、自身の世界を広げていく楽しみをぜひ味わってみてほしい。
(文・写真:日本の本屋

施設詳細

店舗名 アンダンテ
住所 文京区千石4-39-17
アクセス 都営三田線千石駅 徒歩2分
JP山手線巣鴨駅 徒歩10分
営業時間 平日 11:00〜20:00
土日祝 11:00〜19:00
定休日:水曜日
駐車場 専用駐車場なし
備考 HP▶︎ Instagram▶︎

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台東区の書店

透明書店

古くからものづくりの街として栄えてきた蔵前。近年は“東京のブルックリン”とも称され、カフェやクラフトショップが点在し、クリエイターや若者に人気のエリアとなっています。

そんな蔵前に、スモールビジネスのリアルを発信しながら、挑戦したい人に実践の場を提供するテック系本屋「透明書店」はオープンしました。

そう聞くと、「起業やビジネスには詳しくないから・・・」と入るのをためらう方もいらっしゃるかもしれませんが、どうかご安心を。透明書店は誰でも気軽に立ち寄り、興味をひかれる本に出会える本屋さんです。

普段、ビジネス書よりもエッセイや小説を好む筆者の目線で、透明書店の魅力をご紹介します。

入口

店舗入口 photo by いぶ

店名の通り、透明感あふれる店構え。扉を開けると、AI副店長「くらげ」が迎えてくれます。

くらげ

AI副店長「くらげ」がお出迎え photo by いぶ

気になるジャンルやキーワードを入力すると、お店のラインナップからおすすめのタイトルを教えてくれます。何気なく入店しても、くらげ副店長と話しているうちに、気になる本が見つかるはずです。

店内には、ビジネスの種になりそうなビジネス書や各業種にまつわる本がずらりと並んでいます。

本棚

ジャンル分けがしっかりされた本棚 photo by いぶ

業種

あらゆる業種にまつわる本が手に取れる photo by いぶ

ビジネス書と専門的な業種とが隣り合って並んでいて、思いがけない新鮮な発見がありそう。内容も読みやすい本が多く、気になる業界に片足をつっこむ気持ちで、気軽に読める本を探すのにもってこいです。

また、ひとりや少人数で運営する出版社の本をピックアップした“素敵な小さい出版社” のコーナーや、リトルプレスのコーナーも。自分の好みにぴったりな出版社や著者が見つかると嬉しくなりますね。

小さな出版社

素敵な小さい出版社のコーナー photo by いぶ

リトルプレス

リトルプレスも気軽に手に取れる photo by いぶ

店内奥には、 “シェア棚コーナー”というユニークなスペースが。

奥へ

店内奥へ photo by いぶ

シェア棚

シェア棚コーナー photo by いぶ

ここは、独立を目指す方々が棚の1区画を月額料金で借り、自ら選書した書籍や自主制作の本などを販売できるという、スモールビジネスの実践を応援する透明書店ならではの本棚です。

棚主(各棚の管理者)の人柄や個性が滲み出るラインナップは、眺めているだけでワクワクします。

シェア棚詳細

棚主の個性が光るラインナップ photo by いぶ

透明書店は、お客さんとして楽しむだけでなく、自分で棚主となりスモールビジネスを始めることもできる、可能性に満ちた本屋さんです。

店舗外観

この日も多くのお客さんが入れ替わり立ち替わり訪れていた photo by いぶ

そしてここは散歩が楽しい街、蔵前。

お店を出て徒歩約5分のところには、その名を冠する映画にもなった「ドーナツもり」の蔵前店も。厳選された食材をつかって作った、ふんわりもっちり、幸せを形にしたようなドーナツは唯一無二の味わいでオススメです。

ドーナツもり

ドーナツもり店舗入口 ※テイクアウトのみ photo by いぶ

透明書店を起点に、蔵前のお気に入りスポットを探して、ぶらぶらと巡り歩く休日はいかがでしょうか。

(文・写真:いぶ

施設詳細

店舗名 透明書店
住所 東京都台東区寿3丁目13-14 1F
アクセス 都営大江戸線 蔵前駅から徒歩2分
営業時間 12:00〜19:00
定休日:火・水曜日
備考 ▶︎HP ▶︎Instagram

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Frobergue

数年前にリノベーションされ、人気のカフェや雑貨店が入居するウグイスビルの1階にある「Frobergue(フローベルグ)」。

通りがかる人々が思わず足を止めるこのお店は、国内外の古い絵本を中心に取り扱う古本屋さんです。

店舗入り口

まるでヨーロッパの本屋さんのような外観 photo by いぶ

店内はアンティークの棚やラックで構成されていて、どこかロマンチックで落ち着く雰囲気。
深いモスグリーンの壁も素敵です。

店内

天井の装飾とモスグリーンの壁が印象的な店内 photo by いぶ

取り扱う絵本はヨーロッパの古いものが中心ですが、一般の方から買い取った本も並びます。
懐かしい日本の絵本も豊富で、昭和初期の貴重な本から、「こどものとも」といった平成の絵本まで置かれています。
昭和10年発行の函入りの本を手に取ってみると、当時の言葉遣いや丁寧な装丁にロマンを感じました。

本

古い絵本 photo by いぶ

こどものとも

国内外の古い絵本が詰まった木箱 photo by いぶ

レジカウンターの奥には、暮らしや文化、人文書、専門書などがぎっしり。
日に焼けた古書も新品同様の本も入り混じり、興味の赴くまま手に取れるのが魅力です。

生活文化

新しいもの古いもの、和書洋書も同ジャンルでひとまとめになっている photo by いぶ

お店の入口と店内には、100〜300円均一のコーナーがいくつもありました。
絵本の隣にマニアックな雑誌があったり、難しそうな文庫のそばに漫画が並んでいたり。
気軽に試せる価格でいろんな作品が楽しめるのが嬉しいですね。

均一本

古いトタンボックスに入れられた均一本 photo by いぶ

均一本2

絵本も雑誌もひとまとめになっていて見ていてたのしい photo by いぶ

この日は絵本作家さんの展示会が開かれていたこともあり、女性のふたり組やカップルのお客さんが多く訪れていました。
お店のホームページやSNSでは、新しく入荷した本や展示会の情報がこまめに更新されています。特に本についての丁寧な紹介は必読。ぜひ気になった方はチェックしてみてください。

施設詳細

店舗名 Frobergue
住所 東京都台東区蔵前4-14-11 ウグイスビル101
アクセス 都営浅草線 蔵前駅から徒歩2分
営業時間 12:00〜18:00 定休日:水曜日 ※火曜日不定休
備考 ▶︎HP ▶︎Instagram

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大田区の書店

タバネルブックス

あんずの木の下には本が入った箱が置かれている。photo by 日本の本屋

紙を束ねるようにして、本をセレクトするーー。「タバネルブックス」は、東京都大田区、石川台駅徒歩5分ほどのところにある。元々住居であった建物の一階を改装した書店で、店舗は住宅街の中にひっそりと佇んでいる。

紙を“束ねる”ようにして本をセレクトするので「タバネルブックス」。photo by 日本の本屋

石川台駅の改札を抜け、雪ヶ谷八幡神社の方面に向かって歩き、坂をひとつふたつ越えると見えてくる、店舗前の大きな木。

家を建てる際に、タバネルブックス店主である中野さんのご両親が植えたあんずの木だそう。春夏には緑の葉を大きく広げ、店舗に訪れる人を出迎える。

タバネルブックス店内。photo by 日本の本屋

 

チェコの絵本。photo by 日本の本屋

 

チェコの雑貨。隠すように置かれているものもあり、見つけるのが楽しい。photo by 日本の本屋

店内にはチェコの絵本や雑貨が並ぶ。60〜80年代の書籍が多く、文字は読めずともかわいらしい装丁に引かれて思わず手に取ってしまう。オープン当時は古本がほとんどだったが、今は新刊の書籍も仕入れているという。

デザインやアートに興味がある方にはたまらない空間となっている。

柱の色に合わせた淡いグリーンの壁紙。店主自ら色を塗ったそう。photo by 日本の本屋

お店ではワークショップも開催している。今後は、チェコのアニメーション上映などのイベントも構想しているそうだ。タバネルブックスは今後も、本を通じて、書店を通じて、文化への理解や興味をいっそう深められる場所としてあり続ける。

(文・写真:日本の本屋

施設詳細

店舗名 タバネルブックス
住所 大田区東雪谷2-30-3
アクセス 東急池上線 石川台駅 徒歩10分
営業時間 木・金 14:00〜20:00
土・日・祝 13:00〜19:00
定休日:月・火・水
駐車場 なし
備考 HP▶︎

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全国の「ぶらり書店巡り」

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