【ぶらり書店巡り#18】Space Utility TOKYO（東京都目黒区 / 中目黒駅）

2025-04-24 ぶらり書店巡り, アート&ギャラリー

タブレットの台頭により、ペーパーレスの動きが盛んになってきた。

しかし、「本を手に取り読書する」という、利便性だけでは測れない魅力も確かに存在する。

「#ぶらり書店巡り」ではおすすめの本屋さんと、紙の本を探す楽しさを紹介する。

Space Utility TOKYO

中目黒の本屋を探していたときに出会った、「ONLY FREE PAPER TOKYO」の文字。

本屋なのにフリーペーパー？と気になって調べてみると、「Space Utility TOKYO」というお店の中に、このフリーペーパー専門のスペース、ギャラリー、そしてZINEやリトルプレスを扱うお店の3つの要素が一体となっていることを知りました。

作り手の想いと熱意に溢れた、小さくも世界が広がるお店です。

素朴な雰囲気の外観 photo by いぶ

中目黒駅東口を出て歩くこと約10分、素朴な古い建物が見えてきます。店先にもリトルプレスやリソグラフのアートが並び、雑貨屋さんのような入りやすい雰囲気です。

店舗入口 photo by いぶ

店先のリソグラフ。レコードショップのように一枚一枚選ぶスタイル photo by いぶ

店内の広さは5坪ほど。秘密基地のような空間に、ZINEやリトルプレスが所狭しと並びます。その隣にギャラリー、奥にフリーペーパーのスペースが続きます。

入口付近のリトルプレス photo by いぶ

“違和感”がテーマの棚 photo by いぶ

さまざまなテーマのZINEが並ぶ photo by いぶ

そもそもZINEとは、個人や少人数で制作する雑誌や小冊子のことで、テーマも製本方法も多様。即売会やSNSなど、限られたコミュニティで販売されることがほとんどですが、近年若者を中心にじわじわと注目を集めています。

このお店では、そんなZINEに気軽に親しむことができます。すべて見本があり、丁寧なキャプション付きも多数。見本以外のものには一冊ずつ丁寧にフィルムが巻かれているのも嬉しいポイントであり、店主の作品への想いが伝わってきます。

店内中央から入口を見る。壁を挟んだ向こう側がギャラリー photo by いぶ

1坪ほどのギャラリースペースでは定期的にイベントやワークショップが開かれており、訪れる人同士をつなぐ役割も果たしています。

展示イベントやワークショップが開催されるギャラリー photo by いぶ

フリーペーパーの棚には全国各地から集まったものがぎっしりと並び、地方で活動する人々の想いや活動を知ることができます。

路地裏の入口からもフリーペーパーの棚にアクセスできる photo by いぶ

全国から集まるフリーペーパー photo by いぶ

九州出身の筆者が地元でよく読んでいたフリーペーパーを見つけ嬉しい気持ちに photo by いぶ

個人の作品が多数集まるこのお店。ZINEやリトルプレスからは、作者の熱意や想いがダイレクトに伝わってきます。

本が声を発して語りかけることはありませんが、その熱量がそれぞれの表紙や製本の個性から溢れ、店内の空気感を作り上げているように感じました。だからなのか、ここにいるだけでワクワクしてくるのです。

施設詳細

福岡出身、都内在住。本屋と本が好きなふつうの会社員。小説やエッセイ、暮らしにまつわる本をよく読みます。

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