名スポットは迂回した先に。

【おはよう純喫茶#9】珈琲風雅(奈良県奈良市 / 近鉄新大宮駅)

レトロな空間、ノスタルジックな喫茶体験ができる純喫茶を紹介する「おはよう純喫茶」。

タバコが吸えるお店や、モーニングセットの情報なども掲載。

本記事を読みながら趣のある朝を想像し、近くを通る際にはそんな趣のある朝を再現してみてはいかが?

 

珈琲風雅

平城宮跡は歴史的場所でありながら、その中を線路が走っている。奈良時代当時を再現した朱雀門のそばを電車が通り抜ける光景は、今昔が混じり合う奈良らしい場所だ。その近くにあるのが「珈琲風雅(ぷろばんす)」。店名の読み方にこだわりを感じさせる純喫茶だ。

外観 photo by よだ なお

竹や石灯籠、瓦屋根の和を思わせる外観。「珈琲」と大きく書かれた看板がなければ、ここが喫茶店だとは気づかないだろう。

日本庭園の見える席 photo by よだ なお

店内は書や長刀が飾られ、日本庭園が見える。庭の石材は由緒あるものばかりで、中には1400年以上前の古寺の遺石もあるらしい。和と珈琲の掛け算はあまり聞かないのに、なぜか伝統を感じさせる。

日本の焼き物のカップアンドソーサーが並ぶ棚 photo by よだ なお

高い天井は水を注ぐ時の氷がカラコロ踊る音やパンが焼けたチンっという合図がよく響く。最高のBGMだ。棚を埋め尽くす日本各地の焼き物のカップ&ソーサーを眺めていたら、すぐにモーニングセットが届いた。

ボリュームたっぷりのモーニング photo by よだ なお

「白虎」という名のこの店のブレンド珈琲を飲みつつ、ボリューム満点のモーニングセットを味わう。他のブレンド珈琲は、「青龍」に「玄武」に「朱雀」。どれも奈良の高松塚古墳に描かれたことで知られる四神の名だ。

「白虎」は珈琲の香りが高く、鼻をくすぐる。一口飲むと重厚な味わいで舌に余韻が残って心地よい。
卵はゆで卵ではなく、オムレツタイプ。出来立て熱々が体を温めてくれる。最後のフルーツでさっぱり終われるのも嬉しい。

日本庭園といい、珈琲の名前といい、「今昔混じる奈良らしさ」という意味では、この店は平城宮跡にも肩を並べるだろう。店主の心意気に脱帽だ。この店以上に奈良に染まれる場所は、他にない。

 

施設詳細

喫茶名 珈琲風雅(ぷろばんす)
住所 奈良県奈良市柏木町541-1
アクセス 近鉄新大宮駅下車 徒歩約20分
営業時間 8:00~20:00(Lo19:30)不定休
当面の間、8:30〜17:00 (Lo16:30)の営業
駐車場 大型専用駐車場あり
備考 モーニングは11:30まで

 

案内人

よだ なお

郷土料理(ふるさとごはん)の暮らしすと。」として、いつものごはんやおやつに日本各地の郷土料理を作って暮らしています。旅という名の、郷土料理&ご当地グルメ調査に出かけるのがライフワーク。調査と試作を経た郷土料理のレシピを、エッセイとともにInstagramで発信中です。本を出すのが夢。

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