建築好き、美術館好きだけでなく、観光で四国に訪れた際には行っておきたい名美術館・博物館を、体験とともに5スポット紹介。
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高知県高知市、五台山にある牧野植物園は、高知が生んだ「日本の植物分類学の父」牧野富太郎博士の業績を顕彰するため、1958年4月に高知市に開園した植物園。博士ゆかりの野生植物や園芸植物など3,000種類以上の、四季によって変わる植物に出会うことができる。
建物は建築家の内藤廣氏が、サスティナビリティ(持続性)という考え方をひとつのテーマにして設計し、第13回村野藤吾賞をはじめ数々の賞を受賞した。
地形に沿った屋根の形状と、中に入るとどこまでも続く梁の連続が美しく、屋内・屋外ともに歩いて楽しく、みて楽しいスポットだ。
高知県香美市香北町はアンパンマンの生みの親、やなせたかしのふるさと。その場所にある香美市立やなせたかし記念館 アンパンマンミュージアムテキストは、ここには難しい絵はひとつもなく、順路もない。好きなところからぐるぐると自由に歩き回って楽しむことができる。
建物は古谷誠章氏、八木佐千子氏、NASCAの設計で1996年に竣工した。
地下1階、地上4階のボリュームであり、中央の吹き抜けにある大きなガラスから香北町の自然を眺めることができる。
また、根切り土を活用して前方に築山がつくられ、ブリッジによって車と交錯せずに国道側の広場へ行き来可能となっている。
子どもはもちろん、大人も楽しめるスポットである。
香川県丸亀市にある、MIMOCA 猪熊弦一郎現代美術館は、丸亀市ゆかりの画家・猪熊弦一郎の全面的な協力のもと1991年11月に開館した美術館。
MIMOCA(Marugame Genichiro Inokuma Musium Of Contemporary Art)の愛称でも呼ばれる。
建物は、数々の美術館を手がけてきた建築家の谷口吉生氏が設計し、猪熊氏との対話によって、アーティストと建築家の理念が細部に至るまで具現された建築となった。
広場に向けて門型のフレームになったファサードには、猪熊作の巨大な壁面とオブジェが見える。
ファワードの脇にある、トップライトで導かれるような階段や、
展示場所、ホワイエなども自然光がゆるやかに入ってきて幻想的な空間になっている。
香川県坂出市にある香川県立東山魁夷せとうち美術館は、瀬戸内海に面した場所にある、「祖父が坂出市櫃石島の出身」というゆかりのある魁夷氏の版画作品を展示した美術館だ。
こちらもMIMOCA同様、建築家の谷口吉生氏が設計した。氏は長野県にある信濃美術館・東山魁夷館も手がけており、東山魁夷氏の人となりをよく知る建築家なのだ。
周りには雄大な瀬戸内海、広い公園、大きな瀬戸大橋とボリューム満点の景色が広がり、館内を見終わった後に、その自然に囲まれたゆったりした時間を過ごしながらその体験を咀嚼することができ、それが良い時間だった。
香川県、瀬戸内海を望む豊島唐櫃(からと)の小高い丘にある豊島美術館は、アーティスト・内藤礼と建築家・西沢立衛からなる美術館。
特徴は、水滴のような形をした外観、広さ約40×60m、最高高さ4.3mの空間に柱が1本もないコンクリート・シェル構造と、天井にある2箇所の開口部から、周囲の風、音、光を内部に直接取り込み、自然と建物が呼応する有機的な空間だ。
何かを観に行くわけではなく、中に入って五感で感じることのできる場所であり、一度は体験しておきたい。
↓「青森の美術館MAP」記事はこちら
軽トラハウスに住み、旅暮らし(旅のような暮らし/暮らしのような旅)を送る。季節の移り変わりや、デザインの仕事、趣味に合わせて移動しつつ、全国各地のスポットを発掘する。自身がモバイルハウスに住むことから、車中泊MAPの作成に力を入れている。
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