名スポットは迂回した先に。

【古民家カフェ#29】栞日(長野県松本市/ JR 松本駅)【レトロ建築カフェ】

おしゃれなカフェの汎用性は高く、ひと休みに最適な場所。そんなお店は巷に溢れているが、そんな中でも人におすすめしたくなるような「洒落っ気」や、「」のあるカフェを紹介する企画「お洒落カフェ」。

旅の一休みや、優雅な休日の昼下がり、心地よい体験ができること間違いなし。

 

栞日

松本駅からまっすぐ伸びる大通りには松本市美術館や市民芸術館が並ぶ。旅の途中に立ち寄るにはこの上ない立地なのに、最初は気づかず通り過ぎるだろう。なぜって「栞日」という今の店名より、前世の「高橋ラジオ商会」の方がどうにもこうにも目立つから。

家電量販店時代のアイデンティティは今も忘れちゃいない Photo by よだ なお

入口側は全面ガラス張りで外の日差しはたっぷり取り込みながらも、店内は落ち着いた印象。無骨でヴィンテージな雰囲気の椅子やテーブルが並んでて、店内にはどこか秘密基地のような「ワクワク」と「おこもり感」が漂っている。

インダストリアルな雰囲気の1階席 Photo by よだ なお

1階奥のレジで注文と会計を済ませたら、未知の2階席へ。家電販売店時代には侵入禁止の秘境に向かって、狭くて急な階段を一段ずつ慎重に進む。まるで探検家だ。

壁一面の圧巻の本棚に囲まれた2階席 Photo by よだ なお

辿り着いた先は「本のジャングル」だった。天井ギリギリから床スレスレまで、一面の箱、はこ、ハコ、hako。その中に雑誌や写真集などが棲むように並んでいる。ざっとタイトルを見回せば、『ジェンダーで学ぶメディア論』、『杉並は止まらない』、『新百姓』…、蔵書はかなりエッジが効いている模様で、知らない本と出会えることは間違いない。こんなラインナップに囲まれたら、新しい世界の扉が自動的にこじ開けられる。

古い箪笥の引き出しを活用した本棚 Photo by よだ なお

近づいてよく見ると、箱は古いタンスの引出しでできている。この店が電気店を引退してカフェとして歩んでいるのと同じように、引出しもセカンドキャリアを楽しんでいるらしい。

コーヒーと焼き菓子と本があれば。 Photo by よだ なお

個性爆発な本達に見つめられながら飲むコーヒーは苦味強めで目が覚めるよう。甘いお菓子とよく合う。もしやこのコーヒーの器はかつての蕎麦ちょこではないか?とすると、ショートブレッドの乗った木のプレートも、もしかしたら何かの生まれ変わりかもしれない。転職先で活躍中のアイテムに囲まれると、こちらも本でも読んで頭をフル回転させたい気分になってくる。壁一面の本たちを見つめて…「さあどの本から始めようか。」

店舗情報

店舗名 栞日
住所 長野県松本市深志3丁目7-8
アクセス JR 松本駅から徒歩12分
営業時間 7:00〜20:00
水曜定休
駐車場 あり
備考 公式HP
公式Instagram

案内人

よだ なお

郷土料理(ふるさとごはん)コーディネーター」として、いつものごはんやおやつに日本各地の郷土料理を作って暮らしています。旅という名の、郷土料理&ご当地グルメ調査に出かけるのがライフワーク。調査と試作を経た郷土料理のレシピを、エッセイとともにInstagramで発信中です。本を出すのが夢。

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