栃木県日光市、中禅寺湖畔に位置するアントニン・レーモンド設計の旧イタリア大使館別荘。
緑に囲まれた森の小径を歩いて行くと杉皮張りの外壁が特徴的な建物が見えてくる。
室内にいたっても、趣向を凝らした杉皮張りが用いられており、レーモンドの素材へのこだわりが感じられる。
当時ではまだ珍しいリビングとダイニングがひとつづきの一体的な間取りである。
広縁 photo by Saito Kimura
一見すると洋風のようだが、欄間や縁側など和洋折衷の造りになっている。
中禅寺湖に面した全面開口部を持つ広縁は、いつまでもそこに座って景色を眺めたくなるような空間だ。
室内からの眺めはどこを切り取っても絵になるように窓や開口部が配置され、周りの自然や風景を巧みに設計に取り込んでいる。
市松模様の外壁がなんとも美しいリズムを生み出している。
レーモンドの木造モダニズムに対するひとつの表現がここに現れている。
施設詳細
建築名 | 旧イタリア大使館夏季別荘 |
---|---|
設計者 | アントニン・レーモンド |
住所 | |
竣工年 | 1928年 |
利用時間 | 4月 9:00-16:00 5月-11月10日 9:00-17:00 11月11日-11月30日 9:00-16:00 |
見学料 | 300円 (中学生以下150円) |
駐車場 | 近隣有料駐車場を利用 |
アントニン・レーモンド
アントニン・レーモンド(Antonin Raymond)は、チェコ出身の建築家。1919年、旧帝国ホテルの建設に際してフランク・ロイド・ライトと共に来日し、日本のモダニズム建築の先駆者として多くの作品を手掛けた。木材や自然素材を活かしたデザインが特徴であり、日本の建築に大きな影響を与えた。
木村 才人/ KIMURA Saito
林檎と建築とアート。愛と平和とロックンロール。
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