群馬県高崎市の文化振興に貢献した井上房一郎の自邸。
設計者は近代建築の三大巨匠、フランク・ロイド・ライトに師事し、日本に数多くのモダニズム建築作品を残したアントニン・レーモンド。
井上邸はかつて麻布に存在したレーモンドの自邸の一部をコピーした作りとなっている。
それだけに「レーモンド・スタイル」を今現在に伝える貴重な住宅作品だ。
いちばんの特徴はこのパティオ(建物に囲まれた屋外空間のこと)
オリジナルのレーモンド自邸ではレーモンド夫妻がここでくつろぐ写真が残っている。
井上邸においても柔らかな光の落ちる心地のいい空間だ。
レーモンド作品のひとつの特徴とも言える「鋏状トラス(シザーストラス)」の小屋組みや、窓や扉などを自由に開放するために柱芯を外した「芯外し」の手法はそのままに、日本人である井上夫妻のために下足を脱いだスタイルになっていたり、井上夫人のための和室が作られていたりと見どころの多い作品である。
部屋から見える和風の庭は、この季節新緑に囲まれて、たいへん美しいことだろう。
ぜひこのGWに見学に行ってはいかがだろうか。
施設詳細
建築名 | 旧井上房一郎邸 |
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設計者 | アントニン・レーモンド |
住所 | 群馬県高崎市八島町82-1 |
竣工年 | 1952年 |
利用時間 | 10:00-11:00 / 14:00-16:00 |
見学料 | 高崎市美術館観覧料に含まれる(展覧会により異なる) |
駐車場 | 近隣契約駐車場を利用(1時間まで無料) |
アントニン・レーモンド
アントニン・レーモンド(Antonin Raymond)は、チェコ出身の建築家。1919年、旧帝国ホテルの建設に際してフランク・ロイド・ライトと共に来日し、日本のモダニズム建築の先駆者として多くの作品を手掛けた。木材や自然素材を活かしたデザインが特徴であり、日本の建築に大きな影響を与えた。
木村 才人/ KIMURA Saito
林檎と建築とアート。愛と平和とロックンロール。
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