名スポットは迂回した先に。

【お洒落カフェ#14】カフェ葉流乃音(三重県津市/ JR伊勢奥津駅)【古民家カフェ】

おしゃれなカフェの汎用性は高く、ひと休みに最適な場所。そんなお店は巷に溢れているが、そんな中でも人におすすめしたくなるような「洒落っ気」や、「」のあるカフェを紹介する企画「お洒落カフェ」。

旅の一休みや、優雅な休日の昼下がり、心地よい体験ができること間違いなし。

カフェ 葉流乃音

JR伊勢奥津駅は、名松線の終着駅だ。本来なら途中駅の一つに過ぎなかったここは、計画が頓挫して以来、もう90年も終着駅として生きている。数年前に名張駅への直通バスも廃止され、ますます陸の孤島となった静かな里に、遠くても通いたい店がある。「カフェ葉流乃音(はるのん)」だ。

築80年を超える趣ある建物 photo by よだなお

伊勢本街道の宿場町であったこの辺りには趣のある日本家屋が多い。暖簾がかかった民家が並ぶ一本道を進むと、店の前へ出た。

畳の部屋に大きな背もたれの椅子が並ぶ photo by よだなお

ガラスの引き戸がガラガラと懐かしい音を立てる。穏やかなマスターご夫婦に迎えられ、靴を脱いで上がると、ふすまが取り払われた開放的な和室が見えた。アクセントカラーの壁紙やライティングにもセンスを感じる。

運がよければ庭の猫ともティータイム photo by よだなお

客席から見える庭は、まるでトトロの里のよう。トトロの代わりに信楽焼のたぬきの親子が雨に濡れている。時たま姿を見せる猫は、軒先で雨宿り。

カラフルなタイルやガラスのカウンター photo by よだなお

カウンターは木とタイルの組み合わせがさりげないのに、華やかだ。全てがスローに流れるこの店で、振り子時計だけがカッコッカッコッと忙しい。

こだわりのコーヒーやサンドイッチ photo by よだなお

珈琲はその日毎にマスターが豆を厳選し、丁寧に淹れてくれる。自家焙煎して10日以内の豆しか使わない。豆本来の個性を十分に味わえる、贅沢な一杯だ。全粒粉サンドイッチはパンも自家製。ハムや卵にもこだわり、飲み込む最後まで素材の味が口に広がり続ける。

雨に濡れる庭を見ながら珈琲を一口含み、深い息をつく。サリサリと流れるような雨音に、時たま遠くに聞こえる電車の音が混ざるのを楽しみながら、もう少しここでのんびりしていよう。

店舗情報

店舗名 カフェ 葉流乃音(はるのん)
住所 三重県津市美杉町奥津1753
アクセス JR伊勢奥津駅から徒歩7分
営業時間 11:00〜17:00
月・火・水は定休日
駐車場 あり
備考 公式HP

案内人

よだ なお

郷土料理(ふるさとごはん)の暮らしすと。」として、いつものごはんやおやつに日本各地の郷土料理を作って暮らしています。旅という名の、郷土料理&ご当地グルメ調査に出かけるのがライフワーク。調査と試作を経た郷土料理のレシピを、エッセイとともにInstagramで発信中です。本を出すのが夢。

Instagram ▶︎ よだなおの記事一覧 ▶︎

#お洒落カフェ

▼前回のお洒落カフェ

#お洒落カフェ 一覧▶︎

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です