内藤廣
1950年神奈川県生まれ。吉阪隆正に師事し、菊竹清訓建築設計事務所などを経て1981年に内藤廣建築設計事務所を設立。「海の博物館」で建築学会賞、「牧野富太郎記念館」で村野藤吾賞などを受賞している。東京大学名誉教授。
内藤廣の建築記事一覧
北海道旭川市の中心にある、内藤廣氏とJR北海道、日本交通技術が設計したJR旭川駅。内藤氏はその後「JR高知駅」、「JR日向駅」、「みなとみらい線馬車道駅」と駅舎建築を多く生み出すことになる。
ガラス張りのファサードからは自然光がふんだんに取り込まれ、内を明るく保つことができる。また、天井の高さやガラスの透明感が開放感を与える。また、南口では駅前にある「忠別川」との親和性を重視した造りとなっている。
ガラス張りの外観とは異なり、内部は北海道産のタモ材をふんだんに使用した温かみのある空間となっている。このような木を用いた空間づくりは内藤氏の生み出す建築の特徴のひとつだ。
全長180m、幅60mの平行弦トラスの大屋根によって全体が覆われており、広い駅ホームの空間を支えている。
4本に枝分かれしたピン構造の鉄骨柱である「四叉柱(よんさちゅう)」も特徴的である。白い塗装を施すことで、雪の積もった樹木のようであり、鉄骨を用いた空間ながら、並木道のような柔らかい印象を与えている。
また、一般公募で募った1万人の名前を刻印した壁面も存在する。街のシンボルとなるような壮大な駅舎、内部の温かみのある空間に加えて名前の刻印や、街のPRのコーナーがあるなどユーモアのある試みの効果もあり、市民が親しみ深い建築になっている。
文・写真:たいき〜
建築情報
建築名 | JR旭川駅 |
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設計者 | 内藤廣 |
竣工年 | 2012年 |
住所 | 北海道旭川市宮下通8-3 |
高知県高知市、五台山にある牧野植物園は、高知が生んだ「日本の植物分類学の父」牧野富太郎博士の業績を顕彰するため、1958年4月に高知市に開園した植物園。博士ゆかりの野生植物や園芸植物など3,000種類以上の、四季によって変わる植物に出会うことができる。
建物は建築家の内藤廣氏が、サスティナビリティ(持続性)という考え方をひとつのテーマにして設計し、第13回村野藤吾賞をはじめ数々の賞を受賞した。
地形に沿った屋根の形状と、中に入るとどこまでも続く梁の連続が美しく、屋内・屋外ともに歩いて楽しく、みて楽しいスポットだ。
文・写真:たいき〜
施設詳細
年 | 作品名 | 場所 |
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1992 | オートポリス・アートミュージアム | 大分県上津江村 |
1992 | 海の博物館 | 三重県鳥羽市 |
1997 | 安曇野ちひろ美術館 | 長野県松川村 |
1998 | 古河総合公園管理棟 | 茨城県古河市 |
2001 | 倫理研究所富士高原研修所 | 静岡県御殿場市 |
2002 | フォレスト益子 | 栃木県益子町 |
2003 | 苫田ダム管理庁舎 | 岡山県鏡野町 |
2004 | みなとみらい線 馬車道駅 | 神奈川県横浜市 |
2005 | 島根県芸術文化センター | 島根県益田市 |
2006 | 二期倶楽部 七石舞台【かがみ】 | 栃木県那須町 |
2007 | とらや東京ミッドタウン店 | 東京都港区 |
2009 | 高知駅 | 高知県高知市 |
2010 | 和光大学E棟 | 東京都町田市 |
2011 | 旭川駅 | 北海道旭川市 |
2012 | TORAYA TOKYO | 東京都千代田区 |
2013 | 練馬区立向山庭園 | 東京都練馬区 |
2014 | 九州大学椎木講堂 | 福岡市西区 |
2015 | 安曇野市庁舎 | 長野県安曇野市 |
2016 | 高山駅 | 岐阜県高山市 |
2017 | ミキモト銀座4丁目本店 | 東京都中央区 |
2018 | 周南市立徳山駅前図書館 | 山口県周南市 |
2020 | 福井県年縞博物館 | 福井県若狭町 |
2021 | 紀尾井清堂 | 東京都千代田区 |
2022 | 福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館 | 福井県福井市 |