歩きながら、壁やスマホばかり見ていないだろうか?
本記事では、タイルマニアのこもぐさんによるfoot collection、通称フトコレを紹介する。フトコレは、見逃されがちな地面の断片を切り取ったものであり、場所によって変わる”床”を楽しめる写真集だ。
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本記事とフトコレを通して、より楽しく街を歩いてみて欲しい。
1.名村造船所跡地(Googleマップでみる)
大阪市住之江区、かっては造船所、現在はイベント会場「クリエイティブセンター大阪」として使用されている場所にある、墨付けの残る床。
中はがらんどうの大きな空間で、何にでも使える自由な場所である。その一方で、目を凝らすと過去の細やかな人の手作業が刻まれている繊細な場所でもある。
こもぐさんが床の写真の収集を始めた場所でもあり、よく見ないと気付けないささやかさが推しだという。
2.恵文社 cottage(Googleマップでみる)
京都府京都市、一乗駅近くのイベントスペース恵文社 cottage。その店前に敷いてある、ただただかわいいタイル。
一店主、一個人が庭先を飾ってくれることで、家主の感性が表出するし、街を歩くみんなの散歩に彩りが加わったりする。こもぐさんは、ささやかな床の装飾で見ず知らずのうちに小さな交流が起こっていることが、すてきだと感じているようだ。
3.チェジュ島(Googleマップでみる)
韓国はチェジュ島にある美術館、「Jeju Glass House」のエントランスに敷かれている石。
雨上がりに、乾き方が独特で気になったのだと言う。石に小さな穴が空いており、そこから浸水しているように見えた。
Jeju Glass Houseは建築家の安藤忠雄が設計した建物であり、有名な観光地でもある。巨匠が使っている未知の素材、と考えると興味をそそられるものがある。観光で訪れた際には少し見方を変えて足元にも目をやり、この床を探してみて欲しい。
4.地下鉄阿波座駅 / 森ノ宮駅付近(Googleマップでみる)
5.生まれる前の点字ブロック
交差点の一角に突如現れた“未来の点字ブロック”。
突然点字ブロックが増設されても気づかなかっただろうが、一時的に描かれた記号によって、その場所にあったかもしれない過去の不便など、見えないものが見えてくるから不思議である。
床の素材から、場所の特性、文化、時代の背景や人柄、いろんなものが見えてくる。
こもぐさんは「なんでもない場所にも愛着が湧くキッカケになれるのが、フトコレの良いところだ」と語る。
たまには立ち止まり、足元に注意することで、新しい街の楽しみ方が見つかるかも。
和歌山県出身。足元の素敵な写真を集めるのが趣味の「フットコレクター」
instagram:@kmgftcl