きびやかな高級ブランドのビルが立ち並ぶ銀座。時代を先取りするような新しいビルが次々と建てられている中で、明治以降より流行の発信地として栄えてきた銀座は、当初建てられたレトロなビルも数多く現存する貴重な街である。本記事は建築家であるお鯛さんがオススメする銀座のレトロビルを建築的な視点と共に4つほど紹介する。
1.奥野ビル(Googleマップで見る)
1932年竣工の奥野ビルは、同潤会の建築部長を務めていた川元良一氏が独立後に設計したレトロビルである。
同潤会:関東大震災後に設立され、東京と横浜において住宅供給を行った財団法人。集合住宅「同潤会アパート」の建設で知られている。
かつては銀座屈指の高級アパートだったが、現在はギャラリーやアトリエ、セレクトショップなどが入っている。民間の住居で日本初のエレベーターを設置した建物と言われており、扉が手動式なところに時代を感じる。
2.川崎ブランドビルヂング(Googleマップで見る)
1932年竣工(奥野ビルと同時期)の戦前から残る希少なモダニズム建築の建物で、現在は改装されてギャラリー空間になっている。レンガ積みの外観と木造の床組が竣工当初の雰囲気を感じさせてくれる。
3.ヨネイビル(Googleマップで見る)
1930年竣工のヨネイビル。2階に張り出したバルコニーは外観のために作られたものであり、出ることも使うことも出来ないのだとか。増築と改装を経て現在に姿に至ったが、1階部分は竣工当時のままである。
4.鈴木ビル(Googleマップで見る)
新旧混在の街、銀座。
レトロビルを巡って、時代の変化を感じてみてはいかが。
建築基準法の行間を拡げる活動に勤しむ人。
twitter:@otto_morgen