名スポットは迂回した先に。

【古民家カフェ#36】8月Cafe(福島県二本松市/ JR 二本松駅)【古民家カフェ】

おしゃれなカフェの汎用性は高く、ひと休みに最適な場所。そんなお店は巷に溢れているが、そんな中でも人におすすめしたくなるような「洒落っ気」や、「」のあるカフェを紹介する企画「お洒落カフェ」。

旅の一休みや、優雅な休日の昼下がり、心地よい体験ができること間違いなし。

8月Cafe

戊辰戦争で激しい戦禍に巻き込まれた二本松城跡は今、「県立霞ヶ城公園」として桜の名所として親しまれている。鮮やかに紅葉しているだろう桜を目指して、「久保丁坂」をのぼる。この坂はかつてメインストリートだったらしい。

外観はまるで映画「となりのトトロ」のサツキとメイの家のよう Photo by よだ なお

だらだらと長い坂道を登り続けていると、どこかで見覚えのある家が見えてきた。「となりのトトロ」で見たあの家に似ているが、こちらは二本松銀行頭取を務めた田倉孝雄氏が迎賓館として建てた家。洋館と日本家屋がくっついた形は、建てられた当時(1925年)に流行したスタイルらしい。今はカフェとして営業していると聞いたら、立ち寄らずにはいられない。

黒壁と石壁の謎の扉を開けると… Photo by よだ なお

日本家屋側の引き戸から入ると、焼き菓子が焼けるいい香りが鼻をくすぐった。そこで注文と会計を済ませて右側の扉へ。黒と石のツートーンの壁はきっと和と洋の境目だろう。ワクワクが止まらない。

洋風のレトロモダンな喫茶スペース Photo by よだ なお

ドアを開けたら時が止まったような気がした。長い年月を経て複雑な色合いへと変化した壁や床。高い天井は小さな音でもよく響き、エコーがかかったようにこだまする。話し声が自然と囁き声になる。

高い天井にはシャンデリアも残っている Photo by よだ なお

控えめで上品なシャンデリアは、クラゲがぷかぷか泳いでいるような少しの遊び心も垣間見せる。

レースカーテン越しに柔らかな光が差し込む Photo by よだ なお

リベイクされたスコーンは、こんがり焼き色がついて小麦のいい香りがする。チョコチップがとろりと溶け出してくるのを、こぼれないように慌てて口の中へ。濃厚なチョコの甘味が疲れた体に染みる。そこに苦味少なめで軽さのある本日のコーヒーをプラスしたら、リラックス効果は抜群だ。

少し眠い目をこすりつつ時計を見て思わず二度見する。ここにいると3倍ゆっくり時間が過ぎるらしい。まるで浦島太郎にでもなった気分だ。慌てて外に出て城跡目指して坂をまた上り出す。どんどん遠ざかるサツキとメイの家を、時々振り返りながら…。

店舗情報

店舗名 8月Cafe
住所 福島県二本松市本町1丁目127
アクセス JR 二本松駅から徒歩7分
営業時間 平日/11:00〜16:00(Lo 15:30)
土日/11:00〜17:00(Lo 16:30)
不定休
駐車場 あり
備考 公式HP
公式Instagram

 

案内人

よだ なお

郷土料理(ふるさとごはん)コーディネーター」として、いつものごはんやおやつに日本各地の郷土料理を作って暮らしています。旅という名の、郷土料理&ご当地グルメ調査に出かけるのがライフワーク。調査と試作を経た郷土料理のレシピを、エッセイとともにInstagramで発信中です。本を出すのが夢。

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