伊東 豊雄

伊東豊雄は韓国ソウル生まれの建築家。 1941年に現・大韓民国ソウル特別市に生まれ、長野に移住したのち、1965年に東京大学を卒業。 菊竹清訓設計事務所に勤め、1971年にはアーバンロボット（現・伊東豊雄建築設計事務所）を設立。2013年にはプリツカー賞に選ばれる。代表作は「せんだいメディアテーク」、「みんなの森 ぎふメディアコスモス」など。

伊東 豊雄の記事一覧

【見学できる名作住宅#7】シルバーハット（愛媛県今治市/伊東豊雄）

【見学できる名作住宅#3】笠間の家（茨城県笠間市 / 伊東豊雄）

伊東豊雄の建築

シルバーハット

今回紹介するシルバーハットは1984年に東京都中野区に建てられた設計者・伊東豊雄の自邸である。
2010年にオリジナルは解体されたが、翌年、愛媛県今治市大三島に再建された。

全体のプランは3.6mグリッドの鉄筋コンクリート柱によって構成され、その上に平面トラスを組んだ軽やかなアーチを連続させたかまぼこ型の屋根（ヴォールト屋根）が架かっている。

大きく開かれた中庭空間は自然と対話する半屋外空間として、さまざまな用途として使用される。
竣工当時にはこの空間でファッションショーなども行われた。

伊東豊雄がデザインした工業製品的な家具。
当時の時代を先読みし、それを象徴したような先鋭的な感性がうかがえる。

設計から40年が経過した今なお今治市伊東豊雄建築ミュージアムの一部としてその姿を残しているシルバーハット。
周囲の雄大な景色と建築が生み出す空間は唯一無二のものだ。

文・写真：Saito Kimura

施設詳細

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笠間の家

茨城県笠間市に位置する陶芸家夫妻のアトリエ・ギャラリー兼住居「笠間の家」。
設計者は建築会のノーベル賞とも言われるプリツカー賞を受賞している伊東豊雄氏。

湾曲した大胆にもみえるボリュームに対して、内部の空間や光の取り入れ方、平面的な導線の操作は繊細そのものである。

空間に変化を与える段差や奥へ導くようなトップライトが印象的だ。

切妻屋根の外形をそのまま表したような勾配天井、エントランス空間に対する巧みな平面的操作が窺える。

洞窟のようなギャラリー空間に相対して、外の景色に開けたスペースも。

暖炉のあるリビングルームは、湾曲した天井高のある空間が気持ち良い。
緩やかな傾斜地にあるためサンルームからの眺めも抜群だ。

現在は笠間市の公共施設としてギャラリー、ワークショップスペース、カフェとして運用されている。
土日祝祭日のみ営業となっているので訪れる際は注意が必要だが、ぜひ行ってみてほしい名作住宅の一つだ。

文・写真：Saito Kimura

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伊東豊雄の建築年表

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