「ちょっと飲みに出かけよう」
旅行中において、王道の夜の過ごし方だ。旅の夜に、知らない人と飲みながら仲良くなる体験が好きな人も多いのではないだろうか。
今回、京都出身でよく河原町で飲み歩くたまさんに紹介してもらう【京都河原町の激セマ居酒屋MAP】は、京都河原町の“狭い居酒屋”にフォーカスしたマップだ。たまさんは「狭いと、道を通るときの『ちょっとすいません』や『人増えたから、そっち詰めてくれ!』などの会話が生まれ、そこからお客さん同士でコミュニティが広がる」と語る。
激セマ居酒屋は、立ち飲み形式の店舗が多い。彼女が立ち飲み居酒屋に行き出したキッカケは、自身で個展やイベントを開催した時に、参加者同士で話しやすくしたいと思い、そんなところはどこだろう?と考えたところ、立ち飲み居酒屋だと思ったのだそう。そこからコミュニケーションの生まれる要因の一つに「狭い」があると思い、そこから自身の活動にもつなげられる「コミュニティの生まれる空間」を研究し始めたのだとか。
「お酒やご飯が美味しいお店」や「機能的でありストレスなく飲めるお店」などももちろん素敵な居酒屋だが、こと“他のお客さんとコミュニティが生まれること”にフォーカスすると、狭いことやみんなの様子が見えること、店員さんや来るお客さんの雰囲気は“会話を生むキッカケ”にとして良い要因になるのだ。
そのような居酒屋を探す時には、やはり実体験をもとにしたイチオシ店舗は外せない。本記事ではその中でも5スポットを厳選してもらい、彼女のディープな体験と共に紹介する。
一人で不意に飲みに行きたくなった時に行ける居酒屋。
他のお客さんとの交流が生まれる居酒屋。
そんな素敵な体験が詰まったスポットばかりなので、京都に行く時にはぜひ。
1.立ち呑み処origami(Googleマップはこちら)
立ち飲み処 origamiは設立2年を迎えた居酒屋であり、店名は未だ考え中だという。客席はカウンターとドラム缶のテーブルがあり、カウンター席は人ひとりが通れる分しかない狭さ。店の奥にあるトイレに行く際の「ちょっとすいません〜」やトイレ待ちの滞留中トークをキッカケに他のお客さんと会話が生まれるという。
頻繁に更新されるinstagramをみてもわかるように、お店の人がフレンドリーなことも楽く飲めるポイントだ。
そのような「狭さ」と「店員さんのフレンドリーさ」などをキッカケにして他のお客さんと交流が増えてゆき、場所を移してさらにディープにコミュニケーションをとるのだそう。
そんな、みんなが楽しくコミュニケーションを取れることからも、店員さんとお客さんがとても仲が良く、常連さんの誕生日会などで貸切イベントをすることもしばしばある。
たまさん自身も“Origamiフレンズ”が多く、たまたま隣で飲んでた人とイベントをすることになったり、ラジオに出ることになったり、奇抜で運命的な出会いにやみつきになっているのだそう。
その他のたまさんお気に入りポイントは、Instagramにて気まぐれで変わるその日のメニューや当日に立つ店員さんの紹介をしており安心して訪れることができること、営業時間が長く、0次会や2次会などでも気軽に利用できることだという。
2.立ち飲みメキシカン エルポピュラー(Googleマップはこちら)
立ち飲みメキシカン エルポピュラーは、河原町の柳小路にある、メキシカン料理とテキーラのお店だ。立ち飲み処 origamiの系列店でもある。
コの字型の狭いカウンター席のため、お客さん同士の顔が見える。店主がお客さんに話を振ることで、あったかい雰囲気なのだという。
料理は、盛り合わせのメキシカン料理が良い。たまさんは、種類の多いご飯をみんなでつついて食べるのが楽しくて好きだという。店主に好きな料理を伝えると、合わせて盛ってもらえるかも。
「メキシカンとテキーラのお店」だが、メキシカンビールやテキーラをハイボールで割ったドリンクなど飲みやすいものも多く、気軽に立ち寄れる。
たまさんのイチオシのドリンクは、ホットバターラム(泥酔のため不確か)だ。店主から「俺が寝る前に飲んでる」と紹介され、立ち飲みをしてても眠りそうなくらい優しい口溶けなのだとか。
たまさん自身が制作したロゴでもある「たのしいときもテキーラ、かなしいときもテキーラ」をキャッチコピーとして営業している。
3.立ち呑みキセノン(Googleマップはこちら)
立ち呑みキセノンは、四条木屋町にある“本当に狭い”居酒屋だ。ここではL字カウンターにキュウキュウに並んで飲む。トイレが一番奥にあり「ちょっとすいません」から他のお客さんとの会話が生まれる。
たまさんの好きなポイントは、キセノンには外国人観光客も多く訪れ、地元の人と外国人観光客というカオスなわちゃわちゃ感なのだという。また、お酒の種類も多いため何度行っても飽きないのだ。
また、「和」テイストのお店であり、カウンターの枡(マス)に前もってお金を入れておき、メニューを頼んだら店員さんがその金額分をがそこから取る方式という遊び心がたまらない。自分の枡に入ってるお金がなくなってきたら、仲良くなった他のお客さんが「おい、もっと飲もうぜ〜」と言って追加でお金を入れてきたエピソードもあるのだとか。
最近は気まぐれオープンになっており「幻の店」になりつつある。運よく入れた時には、レア度も相まって更に高揚した気分を味わえるだろう。是非営業情報をチェックし、アタックしてみていただきたい。
4.立ち呑みニュートレセン(Googleマップはこちら)
立ち飲みニュートレセンは、2017年にオープンした餃子とワインの店。ワインの気分ならトレセン一択だ。立ち呑み居酒屋であることもあって、カジュアルにワインを楽しめる。オリガミの2階に位置しており、お店同士も仲がよく共通の会話でも盛り上がれるので、是非ともハシゴしてみてほしい。
クレーンゲームでGETしたらグッズやお酒がもらえるなど、遊び心たくさんのお店だという(当時酩酊していたため記憶は曖昧とのこと)。
5.OFURO(Googleマップはこちら)
烏丸御池にあるOFUROは、今回紹介する5つのスポットで唯一座れる店舗。なのだが、常連さんは立って飲むことも多いのだとか。名前の由来は「お風呂のようにくつろいで欲しい」のような感じだという。「お風呂」がテーマだからか、千と千尋のフィギュアなどが置いてある点もかわいく、たまさんのお気に入りポイントだ。三条食彩ろぉじという居酒屋が立ち並ぶ路地あり、近くに良い居酒屋も多い。
店員さんは「マイルドで優しいお兄さん」という感じで、優しく話しかけてくれる。そんなお兄さんも相まって、よりお風呂のような「くつろぎ」に繋がり、良いのだとか
ORUFOのInstagramを見てもわかるように、特にスイーツ・デザートにこだわっており、めちゃくちゃ美味しいのだとか。見ているだけでもヨダレが出てくる。
たまさんが訪れた時には、メニューのナッツを割るのが難しく、隣のお客さんが割ってくれたのがキッカケでコミュニケーションが生まれたのだという。また、たまさんイチオシメニューはフルーツやスパイスの漬け込み酒。ご飯もお酒も美味しく、ゆっくりとくつろげる名店なのだ。
本記事にて5つの激セマ居酒屋の紹介を通して、「狭いこと」の他に、「店員さんのフレンドリーさ」があるお店も多いことがわかった。たまさんは「店員さんはMCのようなもの」と言い、スムーズに会話を生み出したり、話を振ってくれたり、他のお客さんとつなげてくれる店員さんがいることも、他のお客さんとのコミュニティを生み出す重要な要因だ。
たまさん河原町の飲み歩き好きが高じて、2022年末にはゲキカラマラソンという企画のデザインも担当したほどだ。
おすすめの京都の居酒屋や、このような体験ができるスポットがあれば、ぜひ皆さんにもコメントにて教えていただきたい。また、本記事とマイマップを通して実際に行ってみた感想などもいただけると嬉しい。
たま
関西出身、東京の下町でOLをしながら、「コトバと女の子」をメインに、アートやイベント活動をおこなう。フットワークが軽く、全国各地でイベント開催をしたり、イベント後に飲み歩くなどして各地の居酒屋やコミュニティの生まれるスポットを、ディープな体験と共に発掘している。